どんなキャリアを買えばいいの? アタッチメントは? 縛り方は?
初心者の方向けに、カヤックのカートップに関する疑問や不安を解消していきます。
余りにも文字数が多くなりそうなので、何回かに分けて説明したいと思います。
この記事の要点は
・キャリアを買うならカー用品店
・自分でやるならメーカーサイトで適合確認
・できるだけ長いバーを選ぶ
・バー足の長さは要確認
・バーの間隔・位置はカヤックと合わせながら
・ラウンドハル艇は逆さ積みが基本
・カタマラン、ボックスハル艇はどちらでもいい
・前後向きはどちらでもいい
・運転席側で積んで、縛る
・そもそも、キャリアの選び方
①カー用品店に行って申し込む。
何百種類もあるキャリアの中から、自分の車に合うキャリアを見つけてくれます。選定、注文、取付まで全部やってもらえるので
「よく分からないからお店の人に全部任せたい」
という人は、カー用品店に相談しましょう。
②DIY
inno、Thule、Terzo等のルーフキャリアメーカーさんのホームページを見れば
「車種別適合表」
というコーナーが大体あるので、自分の車の情報を入力する。

車検証を見れば、適合表で検索するときに必要な型式が記載されています。
すると
「この車にキャリアを付けるならこの部品、この部品、このアタッチメント・・・」
というふうに対応する製品を教えてくれるので、製品の型番をメモして注文します。
取り付け自体は、DIYが得意な人ならそれほど難しいものではありません。通販で買った家具を組み立てる程度+αぐらいの難易度です。
スクウェアバー、エアロバー等、バーの形状には種類があります。
スクウェアの断面は長方形
エアロの断面は風切り音に配慮した薄い楕円形状。
どちらを選んでも大丈夫ですが、エアロは見た目のスタイリッシュさは抜群であるものの「イジリしろ」があまりない印象。
アタッチメントの選択肢が狭かったり、DIYでこんな機構を付けてみたい!というときに、汎用部品との相性が悪かったり・・・
スクエアならそんな問題もほとんどありません。
・バーの長さ、高さ、間隔
バーの長さは、出来るだけ長いものを選びましょう。短いと、パッド(後述)とカヤックが上手く合わないときに調整がしにくいことがあります。

目いっぱい長いバーにして、2艇積めるようにしておくと、仲間・友達と遠征する際に高速代・ガソリン代を節約できます。
HorizonWalkerの工場から、伊豆半島の南の方まで、1回遠征すると往復180kmの高速代、ガソリン代で7,000円ぐらいします。
1台に2艇積んで、2人で行けば、浮いた高速代、ガソリン代で昼食をグレードアップしてもいいですね。
片道2時間30分の運転も、交代できればかなり楽です。
実際、バーはどれぐらい長くしていいのか?長さの決定はまず、車検証に記載されている「幅」を確認しましょう。
上記画像の車検証はアズマのプロボックスですが、169cmとあります。
2022年5月の、積載制限緩和に伴い、積載物の幅の制限は
「自動車の幅にその幅の十分の二の幅を加えたもの」
となりましたので(※道路交通法施工令第22条 第三号 ロ)
キャリアは積載物なのか?という疑問は一旦スキップし
プロボックスの場合
169×1.2=202.8cm
202.8cmまでなら積載していい(1mmもズレなくど真ん中に積めば理論上は)
ということになりますね。
しかし、プロボックスの場合ルーフが低いので、人の顔の高さにバーが来ます。
狭い駐車場では危険ですので、アズマの場合は20cm切断して、180cmで使っています。
車高の高いミニバンなら、制限いっぱいの長さでも、そういう心配は無いでしょう。

赤い矢印の部品をご覧ください。
製品によっては、同じタイプでも高さの違う「足」が発売されています。
この足が短すぎると、カヤックの一部がルーフに接触してしまいますので、要確認です。
特に、ロッカーが効いている(反っている)艇を、全長の長いハイエースのような車に積むときに直面しやすい問題です。
キャリアを購入する前に十分確認しましょう。
そして前バーと後ろバーの間隔ですが、短すぎると当然、しっかり固縛できません。
バーを取り付けられる位置が決まっていて、間隔を自由に変更できない車もありますが、可能なら最低60cmぐらいは確保したいところ・・・
もちろん艇の重さや縛り方、高速に乗るのかどうなのか・・・によって変わりますが、アズマのプロボックスでは92cm確保してあります。

さて、実際にカヤックを積んでみたら・・・バーにポートが乗っかっている!
ちょっと後ろにずらしてみたら

今度はこの部品がバーに乗ってしまう!
というようなときに、バーの位置をずらして、部品と干渉しないポイントを見つけることが重要です。
部品がバーに乗った状態でベルトを締めると破損してしまいます。
・カヤックを積む向き、位置
そもそもなぜ、カヤックを積むときは逆さ積みなのか??

担いだ状態から載せやすいということもありますが、船底が丸っこい=ラウンドハル型の艇だと、バーの上に置いたとき、コロコロと不安定です。この画像では左に傾いていますね。

曲面が平面に接する点は、1点のみになってしまいます。
ところが逆さに積むとどうでしょう。


前後合わせて、4点がバーに接するようになりました。
接する点が多い程安定するのはもちろんのこと、ギュッとベルトで縛った時の艇の変形を防げます。
U字のクレードル等別途アタッチメントを付けて、順積みする場合もありますが、このような理由から、カヤックは逆さ積みが推奨されています。
しかしCirrusのようなハル形状の場合

順向きで積んでも2点支持可能(ドライブユニットとシートは無いモノとして)

逆向きに積んでも2点支持可能(ドライブユニットとシートは無いモノとして)
なので、このような形状の艇は、結論として
どちら向きに積んでも構わない
ということになります。
前後の向きに関しては・・・それほど気にすることはありません。
カヤックのバウ(前)が車の前になるように積む方がキレイな気がしますが、その程度です。
空気抵抗が・・・ということを考える人もたまにいますし、厳密には向きによって抵抗や風切り音も違うかもしれませんが、常識的なスピードで車を走らせていれば問題にはならないはずです。
それよりは、この向きに積むとこの部品がバーに当たる・・・とか、そういう理由があって前後向きは決まっていくものだと思います。特にこだわりが無ければ前後はどちらでも構いません。
位置に関しては、絶対ではありませんが
運転席側に積む
ことを推奨しております。

この画像では極端に、運転席側に寄せましたが理由としてはサクッと点検できるからです。
走行中に振動や雨でベルトが緩むことがたまにあります。すると、バーの上でカヤックがズレるのが運転席から見えます。
すぐに車を止めて、ベルトを締め直したくても、なかなか車を止めれる場所が無い・・・
そんなときに赤信号で止まれたら、サっと降りてベルトを点検して、運転席に戻るということができます。
助手席側に寄せて、助手席側で縛っていると、その点検がスムーズにできません。
滅多にありませんが、艇をどこに積むか迷ったら、そんなことも思い出すといいでしょう。
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想像以上に長くなりそうなので、続きはまた別の記事にまとめます☺
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