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  • 執筆者の写真店長A

カヤックアングラー特集(ヨコC)Part3 カヤックフィッシングの1日(前日準備編)

 前回の終わりに次はタイラバを紹介すると締めくくったが、「いやいや、カヤックのことを調べようとして読んでくれてるんだからもっとカヤックフィッシングについて書かないかんやろ」と至極当然な考えに至ったため、一旦タイラバについては置いておき、超原点回帰をしてこの章では「カヤックフィッシングの1日」を紹介させていただこうと思う。準備から片付けまで、どのような魅力があり、どのような現実があるのか。私のカヤックフィッシングルーティンがどこかで誰かの役に立つよう願いながら記述する。ちなみに1日と書いたが実際は1日と半分くらいだ。


準備

カヤックの上は、自分の部屋に比べれば当然狭く、自由度が低い(もしかしたら逆の価値観を持つ方もおられるかもしれない)。また、風が吹けば波も立つし、うねりが入ることもしばしば。以上のことからカヤックの上で細かい作業はできる限り避けたほうが良い、というのが私のスタンスだ。したがって、私のカヤックフィッシングは前日の夕方から始まる。


ロッド・リール 

 ロッドとリールは前日のうちに取り付け、PEラインとショックリーダー、溶接リングを結んでおく。割とこれだけやっておけば準備の半分以上は終わったも同然である。この時、複数本のロッドを持っていくのであれば、ラインの太さや溶接リングの大きさこそ変わっても、基本的に全て同じ仕掛けにしておくとよいだろう。他の仕掛けとの互換性が高くなり、タイラバの仕掛けをスピニングタックルにつけたりタイラバタックルでライトな餌釣りを楽しんだりすることができる。

 仕掛けを組む際にいくつか注意点はあるが、一番はショックリーダーと溶接リングを毎回結び直すことだと思っている。正直正しく結べていれば2,3回の釣行には余裕で耐えられる。節約したい時にこれほどありがたいことは無い。しかし、いざ大物が掛かったり根ズレしたりすることでラインブレイクしてしまうと、どうしても「ああ、結び直しておけばよかった…」と考えてしまう。カヤックの上で自分の過失でガッカリする可能性はできる限り排除しておいた方がよい。

カヤックで使うタックル

 仕掛け(ジギング用ルアー)

 次に仕掛けだが、これはどのような釣りをするかによって仕掛けが大きく異なる。まず、ジギングであればジグを3つくらいに絞ることから始めるとよいと思う。ルアーの購入というのは一言でいえば底なし沼に片足を突っ込むようなもので、膨大な数のルアーから何を選ぶか考えているだけで釣り具屋をぐるぐると徘徊するルアーゾンビになってしまう。「カヤック上での作業を極限まで減らす」ことを最優先事項としている私は、その日決めたルアーを使い倒すようにしている。どれだけ海が渋くてもそれが理由でルアーを変えることはない。そこで重要になってくるのが、材質、形状、色だ。

どんなルアーでもすぐに使える工夫

 

ルアーの形状

 結論から言おう、形状は自分が「釣れそう」と思うもの、マジでなんでも良い。材質は鉛でも良いがタングステンの方が体感として釣れやすい。色は緑金、赤金、ピンク(もしくはブルピン)、このあたりをもっていけば困ることはまあ無い、と思って良いと思う(この意見に反発があることは重々承知しているがビギナーで困っている人に導きの光を示すことを目的としているので容赦願いたい)。まず形状だが、考えてみてほしい。全ての店頭に並んでいるルアーは多少の性能差はあれど基本的に全て厳しい審査に合格しているはずである。「この形状いまいち魚が反応しないな…まあいいや売っちゃお!」という適当さでマーケティングを行えば、きっと良い結末は迎えない。また、インターネットで調べてみればスプーンやネジでブリや真鯛を釣っている人がいるくらいだ。自分が「これで釣りたいな!!」と願えるジグに素直に釣られておこう。そうすれば海の上で使っていても気持ちが良い。

 これと同じ理屈で言えば材質も色も審査に通っているんだから何だっていいだろ!!ふざけんな!!となる。まさにその通りである。結局のところ、私がたまたま出会った、相対的に釣果が良いものを紹介しているにすぎないのだ。


 ルアーの材質

 ただ、ルアーの材質と色についてはそれっぽい理屈で持論を展開させていただきたい。タングステンは鉛に比べ比重が大きく、同じ体積で比較したときタングステンの方が約1.7倍重い。つまりコンパクトで重量があるジグを作ることができる。もし目の前に500gのステーキ肉とサイコロステーキが並べられ、「食べやすいのはどちら?」と聞かれたら答えは明白だろう。狩りに失敗することが死に直結してしまう野生の生物たちにとって「コンパクトで食べやすい」というのはとても大切な要素だ。また、フォールスピードが速いこともポイントが高い。水深70mに反応が出ても、もたもたとジグが落ちていたらその深度に到達する前に魚群は抜けてしまう。カヤックフィッシングではそういった一瞬の駆け引きに出会う瞬間がしばしばある。王道はDAIWAのTGベイトだ。高価だがとりあえずこいつさえ持っていればどうにかなると言ってもよい。最近はフォールに特化したタングステンFKシリーズも販売しており、どちらでも安定した釣果が望める。30~80gの幅で準備しよう。


ルアーの色 

 色についても様々な価値観による評価がある。近年はライブベイトのようなリアルカラーのルアーが増えているが、私は一切使わない。別に毛嫌いしているわけではなく、ただの関心の枠から外れているだけだ。インターネットを通じて「カヤックフィッシング」と検索すれば数えきれないほどの動画が出てきて、それぞれが自分の思いを乗せたルアーを使用している。誤解を与えたくないので重ねて説明するが、だからこそ自分のルアー色の選別の理屈を一つの解として自信をもって紹介させてもらいたいと思う。

 まず緑金、トップクラスで釣れる色。特に真鯛への反応が良く、先日初めてカヤックフィッシングをした友人が一投目で見事に真鯛を釣り上げた。手元にルアーがなくてとりあえず買わないといけない時に真っ先に選ぶほど信頼を置いている色である。いわゆる「グリキン」と言ってもメーカーによって「どこが、どの程度」グリキンなのかは少しずつ異なるが、私はDAIWAのFKタングステンジグ60gのグリキンを愛用している。

 私がメインフィールドとしている駿河湾はどちらかというと濁りが比較的強い日が多い。特に富士~焼津エリアは放水路や河川流入の影響で濁りが顕著になる。そんな時にミドキンはまさにうってつけ。水の色に近い緑色をしつつも腹側のゴールドが引き起こす明滅効果は魚にぶっ刺さる。もちろんクリアな水質でもミドキンの釣果は衰えることはなく、緑色が絶妙に海水の色とマッチし、目立ち過ぎず、地味過ぎないアピールをしてくれる。

 同じような理由で赤金も必ず一つストックしている。ただこれは緑金に比べると「ちょっと目立ちすぎ」というのが私の評価だ。雲一つなく、水も澄んでいるようなカヤック日和にはあまりにアピールが強すぎてしまい、魚に警戒させてしまう。そんな赤金がその力をいかんなく発揮する瞬間が2つある。1つ目は「日の出の直後」。日の出の瞬間は夕焼けと同じように空が赤らむが、その空の色とルアーの色がバシっ!と同調した瞬間にとんでもない大物が掛かったことが何回かある。2つ目は「80mを超える水深」。海は深くなるほど赤色が見えづらくなり、黒よりも黒っぽくなる。つまりシルエットがはっきりと映り、魚に発見される可能性を高めることができるのだ。

 ピンクに対する理論は正直に言うとあまりもっていない。昔研究生だったころ、研究に協力をしてくれていた漁師さんが「青物にはピンクだぁ!!!」と言っていたから、おしまい、という感じである。ただなぜか良く釣れる、真鯛も青物も底物もなんでも釣れる万能カラーであることは間違いない。特にショゴ(カンパチの幼魚)は反応が良い。

 以上がルアー選別の話だが、話題が尽きずこのままでは出発すらできないのでルアーに関しては後日別の章で詳しく紹介させていただくことにする。


タングステン製のジグコレクション

魚群探知機

 私はHONDEXのPS-611CNⅡ(税込み61,600円)を使用している。このモデルは中深海に対応しており、最大で約500mの海底を捉えることができる。先代のPS-611CNⅠもそうだったが、611CNシリーズはとてもコスパが良い。魚探として一通りの機能を備えているだけでなく、GPSで自分の現在地がわかる。海上にいると時折潮流で思いがけないほど流されてしまうことがある。GPSが内蔵されており、自分の時速が表示されるため、安全への意識を高めてくれる、優れものだ。電源は乾電池8本か外部バッテリーの2つが選べるが、私はDAISOのアルカリ乾電池を使用している。4本入りで100円、一回の釣行で200円とこれまたコスパが良い。季節によって異なるが大体6時間~8時間使用できるため、1回の釣行で使い捨て、という感じだ。ゴミは増えるが、1万円近い外部バッテリーと50回分の乾電池を天秤にかけた時、乾電池に傾いてしまった。これまた正解はない。ただ、乾電池によっては電圧が足りなくなり起動しなくなるという難点がある。そこだけ注意しよう。


魚探をマウントに設置する

魚探をカヤックに装着するDIYギミック

魚探の振動子をどう装着するか?

服装・着替え

カヤックを漕いでいれば当然水に濡れる。そのため着替えのセットを持っていくとよい。また、熱中症と安全対策として夏はできるだけの軽装(ただ肌の露出は抑えられるラッシュガードやタイツ、フェイスマスクは着用をオススメする)が望ましい。難しいのは冬の服装だ。可能であればドライスーツを着用しよう。高価だが、もし落水した際の危険性をぐっと低めることができる。とか言いながら私はモンベルのレインウェアを着ている。かなり薄手で正直すごく寒いが、動きやすさには代えられない。絶対に避けた方がよいのはウェダーや厚手の長靴だ。もし落水したら容赦なく水が入ってくるため、まず体の自由はほとんどきかず、ウェダーについたバックルを沈みゆく状況下で冷静に取り外すことは困難となるだろう。長靴はアトムのグリーンマスターが良い。


食料・飲料

 カヤックフィッシングは体力勝負だ。食料と飲料は必ず持っていこう。特に暑い夏は熱中症になりやすいので、塩分タブレットを常備しておくと良いだろう。私はタッパーの中にコーンフレークを詰め込んだもの、スティックパン、600mlの麦茶2~3本、塩分タブレットを食料用クーラーボックスに入れている。最近気が付いたがコーンフレークはかなり有能で、糖分や栄養分を手っ取り早く補給でき、バリバリと歯ごたえがあるため食べた瞬間から頭が冴えてくる。一時期ゼリー系飲料を常備していたが、唯一の課題は満腹感だった。コーンフレークはこれを見事に解決してくれた。食料・飲料は毎回過剰なほど準備しておこう。命は一つしかない。あなたの代えは誰にも務まらないのだから。

普段の装備。クーラーボックスは分けている。

 飲料用ではない(不謹慎だが遭難したら直ちに飲料用に早変わりする)。洗浄を理由とした水だ。船の上で手を軽く洗ったり、片付け前にカヤックについている砂を洗い流したりするために、2Lペットボトルに水を入れたものを5本程度車内にストックしている。1本カヤックに持っていくと、意外なところで役に立つのでぜひ参考にしてほしい。


 これもかつては20Lのポリタンクを使用していたが、取り回しの悪さから現在では2Lペットボトルが私の中で主流になっている。


小物入れ用ハードケース

 小物がたくさんあるカヤックフィッシングにおいて、ハードケースは神が与えた神器だとすら思っている。DAISOのハードケースを大小合わせて2~3個ずつ持っておくと必要な道具や着替え、ゴミ、海水に浸かった仕掛けや道具等を細かく分類して入れておくことができる。これを使うようになってから劇的に準備と片付けが楽になった。

道具や小物はこうやって整頓しています。

 ここまでで全ての準備が終わったことになる。実際には作っていないが、以下のようなチェックリストを頭の中で作成し、忘れ物がないようにしておこう。

□ ロッド・リール □ 仕掛け・小道具全般 □ 魚群探知機 □ 着替え □ GoPro 

□ シート □ プロペラドライブ □ パドル □ ドーリー


詰め込み

 私は前日の日の入りまでに道具の詰め込み、カヤックの車載まで終わらせるようにしている。当日起きてから色々詰め込もうとすると、夜中の2時ごろにガサガサと動き回ることになる。家族とご近所さんのことを考えて、当日の出発前は最低限の物だけ持ってエンジンを掛けてさっさと出発できるくらいにしておこう。ただクーラーボックスだけは出発直前に氷を入れる関係で家の中に残しておくようにしている。また、カヤックを縛るバンドは信頼のおけるものを準備し、予備も購入しておこう。私はinnoのハイグレードベルト4mを4本常備している。約5年使用しているが、バッチリ使えているのでオススメだ。


就寝はお早めに

 繰り返しになるがカヤックフィッシングの出発は早い。睡眠時間は最低でも4時間半程度は確保しておきたい。睡眠不足は判断力の欠如を招くだけでなく、船酔いしやすくなったり、帰りの車内で猛烈な眠気に襲われたりする原因となる。ワクワクする気持ちは胸の内にしまい、さっさと寝ることを心掛けよう。それでは、おやすみなさい。


次回、出発~釣行~片付け編


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