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カヤックアングラー特集(ヨコC)part5 カヤックフィッシングの1日 釣行~片付け編



 元々1つの記事にまとめるつもりだったカヤックフィッシングの1日だったが、いちいちとんでもないボリュームになってしまった。これでやっと完結し、ほっと胸を撫で下ろす気持ちである。それでは、今回は実際の釣行~片付けまでの雰囲気やポイントを押さえていこう。

波打ち際には要注意

 おそらくほとんど全てのカヤックアングラーにとって最大の脅威となるのが波打ち際の離着岸だ。駿河湾は特に当てはまるが急深の海では一定の周期毎におばけ波と呼ばれる大きく、足の長い波がやってくる。これに巻き込まれてしまうともう大変。引き波によってカヤックは持っていかれ、横を向いたところにとどめの一撃を食らわせられる。波の力は恐ろしいほど強く、軽々とカヤックをひっくり返し、積んだ道具、魚探、パドル、クーラーボックス、ロッド、何もかもに破壊の限りを尽くしてくる。そのため、カヤックを入水させる前にいったん波打ち際をよく観察しよう。するとその日の波にとある傾向を見出すことができる。時には1分間の周期で、時には3分間の周期で波が高くなったり低くなったりする。その傾向さえ掴めれば波打ち際は攻略できるだろう。波が最も低くなった瞬間にカヤックを入水させて乗り込み、とりあえず目一杯のパドリングを行いある程度波打ち際から離れるようにする。この時最も大切なのは「ためらわないこと」。カヤックを入水させた後に「あ、ちょっとアタイミングよくないかな…」なんて思っているとあっという間に高い波に襲われてしまう。一度出てしまったら、もう止まっている暇はない。腹をくくって大海原へ飛び出そう。


どこを狙って釣りをする?

 無事沖に出ることができたら、カヤックフィッシングの始まりだ。とはいっても初めて沖に出る場合、どこから狙っていいのかが分からない、というのが正直なところだろう。

私はカヤックフィッシングを始める前、沖の海の中は生物に溢れ、どこにルアーを落としても何かしらが釣れるという幻想を抱いていた。しかし、海の中というのは宇宙と同じで、大部分はすっからかんだ。魚がいる場所など本当に限定的で、むしろなぜこの広大な海でお互い動き回っているのに偶然出会うことができたのかということに感動すら覚えるようになる。そんなスカスカの海で釣りを楽しむためには「海の見方」を知る必要がある。そこで、私が普段から気にしている釣りポイントの見つけ方をいくつかの項目に分けて紹介していく。

潮目ハンター

 海を見ていると潮の色が異なったり、帯状の模様が見えたり場所がある。そこが「潮目」だ。海水の性質とは非常に興味深く、例えば黒潮と親潮のように海の温度や塩分等が異なる水の集まり(これを水塊と呼ぶ)がぶつかると、それらはほとんど混ざり合うことなく、はっきりとした境目を作る。ここには多くのプランクトンや、それらを餌とする小魚が集まりやすく、その小魚を追って大型の魚も集まりやすい良好な漁場が形成される。中学1年生の地理で勉強した内容がこんなところで活きてくる。魚探を忘れた場合でも、とりあえず迷ったら潮目を目指そう。


漁礁・根

魚探を見ながら漕いでいると海底が唐突に盛り上がったような様子や、ゴツゴツとした様子を映し出したりすることがある。これを見つけることができたらラッキー、魚探にポイント記録機能があったらすぐさま記録に残しておくようにしよう。

 魚は海底にそびえる岩場を寝床や餌場にする習性がある。中には消波ブロックや沈没・投棄された船等の人工物に住み着くこともある。このような場所では海底の海流が漁礁にぶつかり上方向に渦巻いた海流を作り出す。この渦にプランクトンや小魚が乗っているため、大型魚も釣れやすくなるという理屈だ。本当にそのような動きが行われているのかということにあまり興味はないが、これらの漁礁では明らかに釣果が上がる。底まで落とすと根魚、中層まで巻き上げると青物といった風に水深によっても釣れる魚が変わってくるから面白い。少しだけ厄介なのはエサ取りも豊富であるということだ。特にコマセカゴ釣りやジグサビキを使用した釣りをしているとベラやエソという外道たちも釣れてしまう。そのため私は漁礁ではあえて特大のジグを使用し、一発ドカンのロマンを求める釣りをするようにしている。


ゴロタ

 漁礁と似ているが、比較的浅場(5~20m程度)だと底が大きな岩場になっている場所がある。ここは根魚のマンションだ。タイラバやワームを使用して釣りをしてみよう。きっと良型の根魚が飛び出してきてくれるだろう。特にワームを使用して底をトントン叩きながら引いてくると良く釣れる、正確には釣れるという話をよく聞く(私は深場主義なので浅場はほとんど釣りをしない)。加えて、ゴロタはアオリイカを狙うにも絶好の場所だ。こういった岩場には、ホンダワラのようなアオリイカが卵を産み付ける海藻が生えていることがある。私のカヤック仲間が春先、水深3mで2kg超えのアオリイカを釣り上げていた時は、とても驚いた。Cirrusはその驚異的な安定性から立って釣りをすることができる(決してオススメはしない)。サーフ用のエギングロッドで沖から岸に向かってエギを投げると思わぬサプライズに出会うことができるかもしれない。


駆け上がり・駆け下がり

 魚は急な水深の変化を好む傾向にあるらしい。青物や真鯛に限らずホウボウや甘鯛といった底物はこういった水深の変化が大きい場所によく現れる。この時水深の変化量が大きければ大きいほど良いというのが短絡的な私の結論だ。中には10m程度進むだけで水深も10m程度変わるような海域がある。まさに崖。

 同じ理屈が中深海の釣りでも言える。アカムツやクロムツもまた、こういった水深の変化に富む場所で出会うことができる。魚に共通した習性と言っても過言ではないだろう。


流木・大きな漂流物

 これはシイラに限った話だが、シイラは流木につく習性がある。夏場カヤックで釣りをしているとカヤックの周りをシイラがうろうろしている場面に出くわすのも珍しくない。何かが彼らの興味を刺激するのだろう。海の上に大きな漂流物を見つけたらキャスティングをしてみると、エキサイティングなファイトを楽しむことができるかもしれない。(東南アジアには「パヤオ」と呼ばれる人口の漂流物があり、その周りでマグロ漁を行うこともあるらしい)


海面のざわめき・ナブラ

 大型魚が餌としている小魚は基本的に群れを成している。たとえ1匹では弱い小魚も数千、数万と集まればそれはもう一つの生命体だ。大挙として押し寄せた魚の群れは海面に独特な模様や濃淡を作ることがあり、大型魚がそれらを捕食し始めると海面がバシャバシャと音を立てて魚たちが狂ったように跳ね回る。これがナブラだ。ナブラを見つけたら大チャンス。メタルジグを投げてひたすら早巻きで誘ってみよう。ガツンとくるバイトでフィーバータイムに突入することができる。

 余談だが、ナブラを見つけた時に2点注意すべきことがある。1つはナブラに近づきすぎないこと。あまり近づきすぎると魚たちが警戒してしまい深いところまで潜ってしまう。2つ目はナブラのど真ん中ではなく、ナブラを通り越した先へルアーを投げること。理由は同じでナブラの中にルアーを投げ込むと魚たちは驚いてしまい、あっという間にどこかへ散り散りになってしまう。ナブラを見つけて興奮してもクールを貫くことが大切だ。


 長々と紹介しているが、つまり「違和感」である。何の変哲もない海に唐突に表れた違和感には大体魚が付いている。しらみつぶしに漕ぎ倒すのもカヤックの醍醐味だし、実際に私も様々なポイントで漕ぎ倒してきた。それと同時に海を見る目を鍛えていくと気づきが増えてよりカヤックフィッシングの世界に没入することができるようになるだろう。


絶望 魚が釣れなくなる要素

 相手は理屈の通用しない大自然だ。残念ながら何も釣れないで終わってしまうこともあるだろう。魚が釣れることに理由があるように、魚が釣れないことにもまた理由がある。ただ釣れないことを憂いても仕方がない。しっかり分析をして次の釣行で克服していこう。そこで、私がこれまで体験・分析をした「こうなっちゃうと釣れない」要素もまた、いくつかの項目で紹介させていただきたい。


異常なほどの濁り

 大雨が数日続いた後、海は尋常じゃなく濁る。こうなってしまうと魚はルアーを見つけることができない。実際に濁った海にルアーを落とすと痛感するが、視認性は冗談抜きで50cmもないだろう。強烈なグロー発光するルアーを使用する手もあるが普段と比較すると希望はかなり薄くなる。また、大雨の影響で海は塩分が通常よりも低下する水潮という状態に陥る。海洋生物の中にはシロギスやアオリイカのように潮の変化を嫌う者たちがおり、水潮になるとどこかへ逃げてしまう、逆にシーバスやチヌといった水潮にも強い魚はいるが、基本的に水潮が恩恵をもたらすことはあまりないと考えてよいだろう。


 とてもどうでもよい話だが私は学生時代の研究室で教授に海洋学のノウハウを叩き込まれていく中で「“塩分濃度”なんて言葉は馬鹿が使うもんだ‼‼」と洗脳されている。たしかに塩分という言葉の中に「塩の濃度=割合」という意味が入っているので「塩分濃度=塩の濃度濃度」と解釈ができてしまうのだが、だから何だ、という話だ。まあ、それでも私は生涯塩分濃度という言葉を使わないだろう。95%は教授への敬意、5%は洗脳されているという理由でだ。

潮止まり・大潮

 魚は「流れ」を好む生物だ。逆に流れが止まってしまうとやる気がなくなってしまうのか、パタリと釣れなくなる。これには諸説あり、「エラに流れ込む酸素量が低下し低度の酸欠状態になるため活性が落ちる」「潮流に対して頭を向けて泳ぐ習性をもつ魚が潮が止まることで方向感覚を失ってしまう」「潮が止まることで餌となるプランクトンが流れてこなくなる」等様々な理由が考えられている。潮止まりは1日に2回あり、潮汐の早見表で確認することができるが、早見表を見なくても海を見ていれば潮止まりははっきりとわかる。海面のざわめきがなくなり、静かな森の奥の湖のような鏡状態になるのだ。私はこの状態を「死んだ海」と呼んでいる。こうなると大体体感で1時間ほど釣れなくなる。その間はのんびりしたり、水分・栄養補給をしたり、次のポイントに向けて大きく移動したりし、上手に時間を使えると良いだろう。

 大潮は潮止まりの真逆で、最も潮汐の差が大きく、潮流が速くなる。「え、潮が速いなら流れているから釣れるじゃん」と思うかもしれないが、大潮は釣れない傾向にある。

まず、潮が速すぎるのだ。先述の通り潮流に大きく影響を受ける魚にとって、速過ぎる潮は爆速のランニングマシンの上で走っているようなものだ。こうなってはルアーが目の前を通り過ぎても体力を損耗してしまう。栄養を取るために栄養を消費していてはコスパが悪すぎるので、魚たちは海流に身を任せるようになる、らしい。他にも回遊魚は移動が促進され過ぎて時合いが短くなってしまったり、餌釣りはコマセがすぐに分散してしまったりと、これまた諸説あるが、体感としても大潮は釣れない。やるなら小潮ぐらいがちょうどよい。

 ここで面白いのは「大潮の潮止まり」は比較的よく釣れるのだ。マイナスとマイナスが掛けられてプラスになるような感じだ。つまり、工夫一つで悪い海況も味方につけることはできるのだ。これもカヤックフィッシングの一つの戦略的な面白さだろう。


イルカ・スナメリ

 海面にこいつらを見つけたらその日の釣果は絶望的だ。イルカやスナメリが襲来すると魚たちは危険信号を出し合いその海域から脱出するらしく、「あれ~今日は海況も潮もいいのに釣れないな~」なんて思っている日にはこいつらが群れを成して泳いでいるところを目撃することが結構ある。

 解決方法は「ドルフィンウォッチングを楽しむこと」…

 申し訳ない、ちゃんとした対策はある。それは「思いっきり浅い場所で釣りをすること」だ。普段私が釣りをする場所では大体水深80~100m程度でカンパチやワラサが良く釣れる。イルカたちがやってくるとこの釣果が水深10~20m程度に切り替わる。単純に浅場へ逃げてくるのだろう。このような状況で青物を釣ると「せっかく逃げてきたのに、なんかごめんな」という気持ちになるが、当然リリースはしない。おそらく根魚も釣れるだろう。魚の世界にも理不尽なカーストが存在するのだと、実感できるイベントだ。


釣れる時間は2度来る

 釣れる時間と言えばやはり間詰め。という印象を持っている人は多いと思うし、実際に釣れる。ただ私のホームでは興味深いことに間詰め終了後に間詰めレベルで釣れる時間帯がある。それは「潮止まり後の動き始め」だ。朝間詰めが終わってしばらくすると先述した潮止まりが来る。ここで諦めてしまいたくなるが、時間が経てばまた潮が動き始める。この動き始めを狙ってみよう。今まで釣れなかったのが噓のように良型が食ってくる確率が高くなるのだ。調べてみると「上げ3部、下げ3部」という言葉があった。つまり、間詰め以外にも干潮から満潮に向かうまでの3部目、満潮から干潮に向かうまでの3部目は魚が釣れるということである。これまたカヤックをやっているからこそ気付ける魅力の一つだろう。気を付けなくてはいけないのが釣行終了時刻だ。2度目のフィーバータイムが来る時間は比較的遅く、体感では大体9:30~10:30から始まることが多い。こうなってしまうとだらだらと釣りを続けてしまうのだ。前回の章で述べたが夏場はこの時間まで待っているとかなり気温が上がる。また、始まりの時間が早いため熱中症の危険性が高まるのだ。この辺のバランスは自分の経験やその日の体調と相談して正しい判断ができるようになりたいところである。


終わりの着岸も気を付けて

 ボウズだろうが爆釣だろうが終わるときはきっぱりと終わるようにしよう。そして最後、着岸する瞬間は離岸と同様集中力を高めて臨むようにしよう。波に上手に乗り、波のブレイクに合わせてカヤックを着岸させ、素早く降りたら波の影響を受けないところまで引っ張り上げる。この時絶対に波と一緒に着岸すること。波が割れた後のタイミングで着岸すると後ろからやってきた次の波のブレイクに巻き込まれ地獄を見ることになる。最後の最後まで気を抜かないようにしよう。


釣り具、カヤックはできるだけ洗ってから帰ろう

 白状すると、私は釣り具もカヤックも家に持って帰ってから洗っている。潮水が車に滴り落ちるがそのまま洗車をするし、1時間ちょっとで家に帰れるのでわざわざ釣り場で多くの道具を準備して潮抜きをする必要性を感じていないのだ。現に数年使っているリールも全く潮噛みしていないしロッドもほとんど錆びていない。私にとってカヤックフィッシングを終えたら何よりもまっすぐに家族のもとへ帰ることが最も大切なのだ。ただ、やはり道具にもカヤックにも塩水がばしゃばしゃかかるのでその場で洗った方がよいのは間違いない事も重々承知している。今気が付いていないだけでいずれどこかで痛い目を見る日が来るんだろうなあということは何となく感じている。


塩抜きは念入りに

 帰宅したら使った道具は念入りに水洗いしよう。とにかく塩を抜くこと。そしてカヤックについた砂もきれいに洗い流そう。ラダーは構造上砂が入りやすくこれを放置してしまうと次回の使用時にラダーが降りなかったりハンドルの効きが悪くなったりする。とにかく水洗いをしまくって、拭けるところはタオルでしっかり拭き取ろう。


 ラインの塩抜きができているか毎回不安なので1分程度水で流したらラインに染み付いた水を少しだけ吸って判断している。引かれても仕方のない行動であると思っている。


 これにてカヤックフィッシングの1日は終了である。長い話に付き合ってくださったことに毎度ではあるが感謝を申し上げたい。


youtubeチャンネルで釣行のようすやCirrusの紹介をしています。ぜひご覧ください。

⇒https://www.youtube.com/channel/UCdlcmz4tCRCSsKZaV9AySKA

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