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  • 執筆者の写真店長A

カヤックアングラー特集(ヨコC)Part4 カヤックフィッシングの1日(出発・出艇前準備編)

  さて、今回は出発から片付けまでの流れを紹介させていただこうと思う。「これ、動画にした方が分かりやすいんじゃ…?」と思い始めている自分がいるが、貴重な機会をいただいているので手を抜くことなく文章を通じてカヤックフィッシングの魅力を伝え続けていくつもりだ。それでは、よろしくお願いします。


いざ、カヤックフィッシングに出発だ!

 私は基本的に日の出の1時間前に現地へ到着できるよう、逆算して出発をしている。夏は午前2時30分頃、冬は4時30分頃と季節によって出発時間は異なる。

 カヤックはこれでもかというほど季節の変化を5感全てで感じることができるスポーツだ。私がカヤックを心から愛している一つの理由でもあり、自然が好きな人であれば季節の変化を愛する感覚に共感していただくことができると思う。ただその裏側には釣り人として感じるジレンマも潜んでいる。

まず、夏は冬に比べて睡眠不足に陥りやすい。ショアジギングをしていた頃、夏のタチウオシーズンに入ると午後11時に浜INではもう大遅刻、釣りをする場所などなかった。釣り人たちの精神力と体力は桁違いなのである。カヤックではそういった場所取りはほぼ存在しないため、比較的イージーモードである(イージーとは言っていない)、とはいえ、やはり日の出と共に出艇し、朝間詰めの最も活性が高い時間帯を狙っていくことを考えるとどうしても出発は早くなる。それに対し、冬は夏に比べれば睡眠時間を確保しやすい(決して十分とは言えないが…)。ただ、冬の日の出前というのはとてつもなく寒い。日の出の後30分程度体を暖めてから出艇しないと指がかじかんでしまい、スプリットリングを開けたりラインを結んだりすることができなくなる。つまり、冬のカヤックフィッシングは時間が後ろ倒しになってしまいがちなのである。私は2歳半になる子どもが一人おり、趣味と家庭の両立を図るために可能な限り短時間で釣りを終えるように心掛けている。夏になると5時に出艇し、1時間で釣りたい魚をスパっ!と釣り上げ7~8時には「ただいま、おはよう」と帰宅するという神ムーブをかますことができる時があるが、冬になるとそうはいかない。7時半~8時頃に出艇し、帰るのが昼前になってしまうことがほとんどだ。奥さんが文句を言わずに「良いよ」と言ってくれるのがとてもありがたく、日ごろの家事育児で恩返しだ!と自分に発破をかけるモチベーションになるが、趣味で完全に家から離れる時間が長くなるほど自分の中でどこか後ろ指を指されているような、小さな罪悪感が残ってしまうことがある。


忘れ物の最終確認・戸締りチェック

 言うまでもないようなことだが、出発前に最終チェックを行おう。私は目の前の楽しみに盲目になり過ぎてしまい、これまで信じられない失敗を何回かしたことがある。いくつか項目に分けて紹介してみよう。

カヤック

 意味が分からないと思うのは当然だが、私はカヤックフィッシングにカヤックを忘れたことがある。自分でも何を言っているか未だに分からない。だが、言葉の通りだ。1時間程度車を走らせた場所にあるポイントで仲間と落合い意気揚々と「おはようございます!」と挨拶をした後、仲間からの一言目は「あれ?カヤックは?」だった。なんと、車の上にカヤックが乗っていなかった。その日はショックが大きすぎてそのまま帰宅し、寝込んだのを覚えている。

魚群探知機の電池

 地味にダメージが大きい忘れ物。普段タックルボックスとライフジャケットに4本入りの電池を4つストックしているが、その日は全て切らしていた。

 普段魚群探知機に頼り切っていると、いざなくなった時の無力感は尋常じゃない。地図も持たずに砂漠のど真ん中に放り込まれたような、そんな感覚だ。釣りをしていても味気ないし、何よりも自分の現在地が分からず、自分が時速何kmで流されているのかが分からないのがとにかく恐ろしかった。全然釣りに集中できず、早々に切り上げてしまった。


ライフジャケット

 人間性が問われる忘れ物。断言しておくが、カヤックフィッシングにライフジャケットは必要不可欠だ。忘れたのであればその日はゲームセット、仲間から予備を借りることができなければしっぽを巻いて帰宅する以外の選択肢はない。ただ、カヤックフィッシングをし始めたばかりの私はこの感覚が薄かった。「無ければ無いで、気を付けてやればいっか」くらいに思っていたのを今では猛省し、戒めとしている。ある時、家から15分程度のポイントで数人の仲間と出艇しようとしたときライフジャケットを忘れたことに気が付いた。それを伝えたら「それは大変だ!!待ってるからすぐに取ってきなよ!!」と言い切ってくれた。本当に仲間に恵まれたと思う。それまでライフジャケットを忘れたことは無かったが、そのやり取りを通じてライフジャケットに対する価値観がグッと重いものになった。

 フラッグとライフジャケットは絶対に準備をしよう。この2つのうち、どちらか一つでもない状態で海に出てもし何かあった場合、言い訳の余地なく炎上して当然だし、その火の粉は相当広い範囲に飛び火する。「自分は事故を起こさないから平気平気」という理屈は絶対に通用しない。

自宅のドアが開いていた

 鍵が開いていたのではない、ドアが開いていた、フルオープンだった。まだ独身の、カヤックフィッシングを始めて間もないころの失敗だ。妻子持ちの今、もしまた同じ過ちを繰り返したらカヤックフィッシングを引退しようと決めている。その日釣り上げたアオリイカは全く味がしなかった。不安で数日間毎日通帳を開く日々になった。強迫観念が強くなり今でも鍵を閉めたか指差し確認、声出しチェック、鍵を閉めたら特定のポケットに鍵を入れる等をしないと不安でたまらなくなってしまうきっかけになる事件だった。幸い何も取られていなかったが、もし何かあった場合警察に何て伝えればいいんだ…と当時は本気で頭を抱えていた。


道中は飛ばさない、そして必要に応じて休憩を

 未明に出発すると道路はガラガラだ。気が大きくなってしまいスピードを出しがちになってしまうが、そんな時こそ気を付けよう。ただでさえ来たるカヤックフィッシングに向けてワクワクしているため、気持ちが浮ついている。事故というのはそういう時に起きるものだと思っている。また、私がメインエリアとしているポイントに向かう道中、鹿がしばしば現れる。もし撥ねてしまった場合、色々なものが被害を受けるだろう。野生動物は生きるべくして生きているだけであり、責任を追及することはできないのだから我々ホモサピエンスが気を使ってあげるしかないのだ。特に山道は慎重に走ろう。

 実は大切なのが、道中のコンビニでトイレに寄っておくことだと思っている。体の中に不要なものが溜まった状態だと船酔いが起こりやすく、それ以上にもし沖合で強い便意に襲われたら非常事態だ。汚い話で誠に恐縮ではあるが、私は一度、沖にいる時に耐えがたい便意に襲われたことがある。今となってはその場で海に入り、母なる海をダイレクトに汚してしまうことに背徳感を感じつつ壮大なウォシュレットに身を任せて海中で脱糞するくらいの気概をもっていが、当時の私にそんなメンタリティはなかった。とりあえず大急ぎで岸に戻り、神に祈りながら全ての道具を海岸に置いたまま車に駆け込み、2分程度の場所にあるコンビニへ転がり込んで事なきを得た。あの時カヤックの道具が何も盗まれていなかったのは紛れもない奇跡だと思っている。(ただこれは明らかに褒められた行為ではない。もし海岸を歩いている一般の方、特に子供が誤って針に触れてケガでも負ってしまったら責任問題になってしまう。)


ポイントに着いたらまずは海況チェック!

 Windyやyahoo天気、タイドグラフ等複数の情報から当日の海、風の予測をしても予報が外れて海が時化ていたり、大きなうねりが入っていたりすることがある。そのため、荷物を下ろすよりも先にまずは海況を自分の目で確認し、出艇のための最終判断を行おう。判断基準は海域、経験年数によって様々だが、例えば「ビュウビュウと音を立てて風が吹いている」「白波がたくさん立っている」「波打ち際の波が短い周期でとても高く、並足も長い」「空を見ると分厚く黒い雲が広がっている(落雷の恐れがある)」といった条件が一つでも当てはまればどれだけ悔しくてもその日の出艇は諦める勇気をもつようにしている。近年、カヤックやサップに関連する事故は急激に増加傾向にある。(平成29年には20人、令和3年には68人-海上保安庁の統計より-)。そのほとんどが転覆による復元不能と体力・技術不足による帰還不能ということである。当人がどこまで考えて出艇したかなど、知る由もないがどこかに「これくらいなら大丈夫だろう、せっかく来たんだし」という思いがあったのではないかと、同じ趣味を持つものとしては感じざるを得ない。私だってせっかく来たのならちょっと無理してでも出艇したくなる。想像でしかないがそういう気持ちなら痛いほど共感できる。だからこそ諦める勇気が必要なのだ。海上は陸上とは別世界であるということを、改めて心に留めておかなくてはいけない。


荷物を下ろしたら、日の出に向けて心の準備

さぁ出すぞ!この瞬間が最高だよな。

 実のところ、カヤックを何時から出してよいという法律はない。もっと言ってしまえばフラッグやライフジャケットに関する法的拘束力もない。カヤックフィッシングは危険と隣り合わせである一方、本来必要とされるべき法整備が追い付いていない。したがって、様々な線引きがアングラー各人の道徳心に委ねられている。

 やはり視認性の面から日の出の時刻までは待つのがよいだろう。時折、薄暗いうちに出発するアングラーがいる。これについては賛否両論あると思うが、私は望ましいとは思わない。レーダーリフレクターのような反射材を取り付けていないと、カヤックは船舶のレーダーに映らない。つけていても映るとは限らない。そうなったらもはや目視以外でカヤックを見つける術はないのだと考えると、やはり日の出前は避けた方がよいという結論になる。

 中には「いや、船が見えたら我々が避ければいいだろ?」と考える方もおられるかもしれないが、やはり考えてみてほしい。海の上のように目印が少なくなると相手との距離はかなり測りづらくなる。遠くにいると思った漁船が気が付いたらすぐ近くまで接近してきたという経験をしたことがある人も少なからずいるのではないだろうか。しかも道路のような指標がない海上では船の進行方向が読み取りづらい。「右に曲がるの?!え!左?!どっちだ?!」と困惑したことがある方もおられることと思う。さらに追撃してしまうが、釣りをして入れば当然釣り人の意識は手元に集中する。ハッとしたときにすぐ近くに漁船がいたらどうしよう?深場でやっていたらそこから糸を巻き上げなくてはならない。間に合うだろうか?もし大物が掛かってしまったら?自分の意志とは関係なしにカヤックが引っ張られたら?考えればキリがないが、ここに書くだけでも薄暗いうちに出艇するメリットは無いに等しいと言ってよいだろう。


 ちなみに、海上保安庁も暗いうちの出艇については「夜の航海はやめましょう」という言葉で注意喚起を行っている。詳しくは海上保安庁のページを見てもらうとよい。とても参考になる。



酔い止めは常備しておこう

 元海洋学科生であり、幾度となく船に乗った私ほどの人間であれば船酔いなど恐るるに足らずである。というのは全くの嘘だ。割と簡単に船酔いをする。そのため、カヤックフィッシングに酔い止めは欠かせない。興味深いことに私の船酔いには傾向がある。誰しもには当てはまらないがこれまでの経験から船酔いをする条件を項目ごとに紹介させていただきたい。

睡眠不足

 船酔いのトップ・オブ・原因。睡眠時間が4時間半を下回ると高確率で船酔いをする。3時間を切ると船酔い率はほぼ100%だ。よって、必ず一定量以上の睡眠をとるようにしている。否定するわけではないが私は前泊をしないようにしている。まずSUVは狭くて車中泊に向いていない。また、発電機を使用して車内を快適にでもしない限り、車中泊に適している季節というのが1年の中であまりないというのも前泊をしない大きな理由の一つだ。そして何よりも睡眠の質が悪くなる。結局のところいつも寝ている場所、いつも寝ているベッドこそ至高、というのが私の今の考えだ。ただ、いつの日か大きな車に乗って快適な車中泊仕様に改造する夢はずっと抱いている。

食事

 前日の夜遅く(大体21時以降)の食事、アルコールと脂っこいもの、肉類は高確率で船酔いに直結する。そして意外なことに、私は当日の海苔に弱い。海苔が付いたおにぎりを食べると船酔い率が格段に上がる。そこで採用されたのが先述したコーンフレークだ。また甘ったるい飲み物は避け、基本は水かお茶、目覚まし用に飲むコーヒーは絶対にブラックを選ぶ。これだけを見るとやたら健康志向な人のようにも感じるが、そんなことは無い。このブログもシュガードーナッツとコーヒー牛乳を摂取しながら書いている(23時53分)。


尿意・便意

 腸内と膀胱内がすっきりしていないと何故か船酔い率が上がる。医学的な理由があるのかはわからない。


大きなうねり

 割とこれはあてはまる人が多いと思う。周期の長い大きなうねりが続くとゆらゆらと体が上下し、嫌な浮遊感が船酔いにつながる。これがあるため、風は吹いていなくても沖合に台風がいた場合に、カヤックフィッシングを断念することがある。


もし船酔いしてしまったら?

 潔く岸に戻ろう。この時「せっかく来たんだからせめて1匹…」と意地になるのは悪手だ。船酔いしてしまうと判断力が低下し、吐いてしまうと体力も消耗する。足漕ぎでも手漕ぎでも酔った状態では十分な力を発揮することができない。


船酔い防止アイテム

私は「アネロン」を愛用している。何種類か試したがこれが一番効く。また1回の満足度を上げるためにたとえ凪の海でも必ず服用する。出艇の30分前に飲むとよい。また、余計なマーケティングになるがアネロンはamazonのセールで定期的に激安になるため、私はそこでまとめ買いをしている。もうこれ無しではカヤックフィッシングは務まらない。

 

次回は、釣行~片付け編となり、これでカヤックフィッシングの1日が終了する予定である。今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。


Youtubeチャンネルもよろしくお願いします。

⇒https://www.youtube.com/channel/UCdlcmz4tCRCSsKZaV9AySKA



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